FRP

軽量・高強度

当社では、円筒形状のFRPを成形する「フィラメントワインディング(FW)成形」と
中間素材の「トウプリプレグ」の2つを軸に展開しております。

FRPとは

FRPとは、ガラス繊維やカーボン繊維などに、熱硬化性樹脂を含浸し硬化させることで成形する繊維強化プラスチックの総称です。
軽量なプラスチックに繊維を入れて機械物性を強化することで、金属材料では実現できない「軽量」「高強度」を実現します。

FRPの種類

フィラメントワインディング成形(WET/湿式)

FW(フィラメントワインディング)成形(WET/湿式) 概略図

カーボン繊維、ガラス繊維などの長繊維をボビンから繰出し、レジンバス内で液体の樹脂を含浸させてからマンドレル(芯金)に巻き付けます。その後、加熱炉で加熱硬化させ、芯金を引抜くことで、パイプ形状のFRPを成形します。

技術データベース:FW成形

パイプ寸法・強度設計・比重・電気・その他特性の詳細をご覧いただけます。ご要望に合わせた仕様の製品を製作できますので、お気軽にお問い合わせください。

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製品紹介

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トウプリプレグ

Tow Prepreg

トウプリプレグとは

髪の毛状の細いカーボン繊維やガラス繊維を束ねたものを「トウ」と呼び、
そのトウに予め樹脂を含浸させた中間材料がトウプリプレグ(略称:TP)です。
燃料電池自動車向けの高圧水素タンクや高回転型のモーターの補強などの用途に用いられ、
フィラメントワインディング(FW)成形に、トウプリプレグを用いることで、高い生産性と強度物性を実現します。
炭素繊維、ガラス繊維など、お客様のご要望に応じた繊維と樹脂を組み合わせ、
ご要望に応じたトウプリプレグを試作・量産いたします。

トウプリプレグとトウの写真

トウプリプレグ 製造方法

トウプリプレグには、「溶剤希釈法」と「無溶剤法」の2つの製法があります。

溶剤希釈法

溶剤希釈法の説明図

有機溶剤で樹脂を希釈し、繊維に含侵させた後、加熱炉を通過させて溶剤を乾燥させ樹脂をBステージ化(半乾き)にして、再び紙管に巻き取ります。

特徴

常温で個体の樹脂でも溶剤で希釈し塗工できるため、樹脂の選択肢が多いです。

無溶剤法

無溶剤法の説明図

有機溶剤を使用しないため、作業環境が良好で環境負荷が少ない製法です。

特徴

ガスバリア性を有した樹脂や、Tg300付近の樹脂など特色のある樹脂が多いですが、常温で比較的低粘度であることが条件になります。

トウプリプレグ使用のメリット

トウプリプレグ使用

フィラメントワインディング(FW)成形(DRY/乾式)概略図

メリット

  • WET法よりも高強度、高耐熱

    樹脂の選択肢が多く、Tg300℃近い樹脂やガスバリア性など個性的な樹脂の選択が可能

  • 高品質・成形安定性が高い

    トウプリプレグ塗工時点で樹脂量(R.C.)が管理されているため、安定した品質を保て、且つ層間せん断強度の高い製品になる

  • 作業性が良く、作業環境良好

    FW(DRY/乾式)成形時にレジンバスが不要であるため、作業性が良く、作業者の負荷も少ない

デメリット

  • 成形品が高価になる場合がある

    トウプリプレグを塗工する一次工程を挟むため成形工数を要する。(FW工程が短縮できれば、安価になるケースもある)

  • 大型の成形品には不向き

    トウプリプレグボビンの巻き長には限界があるため、長尺・肉厚の成形品には不向き

  • 溶剤法では環境負荷がある

    溶剤法トウプリプレグの場合、トウプリプレグ塗工時に有機溶剤を使用する

トウプリプレグ不使用

フィラメントワインディング(FW)成形(WET/湿式)概略図

メリット

  • 大型成形が可能

    弊社では、現状、最大φ450×L2400の成形が可能

  • トウプリプレグ成形品より比較的安価

    素材(繊維)からダイレクトに成形するため工程が少なく、安価で大量生産に向く

デメリット

  • 耐熱性や性能面に限界がある

    レジンバスで樹脂を含侵するため常温で低粘度であることが樹脂選定の条件であるため、使用できる樹脂が限定される

  • 作業者の負荷が大きい

    樹脂を使用しながらの長時間の作業が必要装置の洗浄工程が長い

技術データベース:トウプリプレグ

弊社で生産しているトウプリプレグのラインナップをご覧いただけます。

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デサイズ
(サイジング剤除去)

Desizing

デサイズとは

カーボン繊維製造時に繊維を収束するために塗工されているサイジング剤を除去する工程です。
マトリックス樹脂をエポキシ以外とする場合は、サイジング剤が樹脂と繊維の接着に
影響を与える可能性があり、除去により物性向上が見込まれます。

想定される用途

  • 熱可塑性樹脂を用いた成形の前処理
  • 非エポキシ樹脂の再サイジング
サイジング剤除去前と後の比較図

サイジング除去 実績

品番 繊度
(TEX=1,000m/g)
除去率
CT700-12KDS 800 70%以上
CTR50D-12LDS 800 70%以上
CT800-24KDS 1030 70%以上
ITS50-23F 1630 70%以上
IMS60DS 410 70%以上
CMR70DS 415 70%以上

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三星ブランドFRPの強み

Mitsuboshi FRP’s strength

当社では、FRPの最新技術と、70年を超す金属加工技術の融合により
高性能なFRP製品をワンストップで生産することが可能です。複雑な部品製作は三星工業にお任せ下さい。

3つの強み

セーフティブロック

セーフティブロック

プレス機のワーク交換作業時に金型を開いた際の、上型の落下防止に使用します。 軽量・高強度で取扱が容易です。

仕様
材質 CFRP GFRP
耐荷重 70ton 30ton
鉄との重量比 70% 80%

CFRPパイプ 動力伝達機

CFRPパイプ 動力伝達機

CFRPパイプに金属フランジを接着、最大負荷トルク1400Nm。バルブの開閉や、動力伝達機として使用できます。

仕様
材質 CFRP
最大負荷トルク 1400Nm
鉄との重量比 70%

CFRP低フリクションロール

CFRP低フリクションロール

極薄オレフィンフィルムの搬送ローラーとして、御使い頂いております。

仕様
材質 CFRP
ベアリング 両端ベアリング接着
表面仕上げ 研磨・ウレタンシボ塗装
用途 極薄フィルム搬送

CFRPスピンドルシャフト

CFRPスピンドルシャフト

金属製と比較してCFRPの線膨張係数が低いため発熱しても伸びない高精度スピンドル 【※現在開発中】

仕様
材質 CFRP
重量 金属製の1/2
回転数 30,000rpm
メリット 軽量のためイナーシャが少なく、モータ容量を抑えられ、省エネ化を実現。また、加減速の負荷を軽減。

バサルトパイプ

バサルトパイプ

端部に雄ねじ、雌ねじ加工を施したため、同仕様のパイプを連結可能。

仕様
材質 BFRP(バサルト繊維)
加工 雄ねじ・雌ねじ
用途 腐食性の強い液体を流す配管など

CFRPロールシャフト

CFRPロールシャフト

長尺・重量物の梱包材ロールの芯として使用。
軽量高剛性であるため作業者のけが防止・作業性向上
大手企業、生産ラインに採用実績あり

CFRPの優位性
材質 オールSUS CFRP
重量(kg) 11.5 6.8
使用例

CFRPスクリューサポート・クランプサポート

CFRPスクリューサポート・クランプサポート

5面加工機などの加工機のクランクサポートとして使用
金属製の同製品よりも軽量 作業性向上・労災防止

仕様
ストローク 34mm
※ストロークは変更可
高さ 1,000mm~1,034mm
胴部外径 Φ93mm(肉厚7.5mm)
胴部長さ 940mm(Φ93では最長)
上部受皿系 対辺55mm
CFRPの優位性
  市販製品 本製品
材質 S45C CFRP
重量(kg) 18 8
耐荷重(ton) 26 30
※安全率:2倍
胴部外径(mm) 70 93
使用例
弊社 加工現場で使用実績あり